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前回に引き続き、相続登記の義務化について語りたいと思います。

未来予想と題してますが、居酒屋でおっさんが語っている内容と大差ないくらい適当なので、話半分に聞いてください。

 

では、改めまして

大予想その壱「自分で相続登記ができるという宣伝文句で AI(笑)を駆使した業者が出てくる」

 

予め伝えておきますが、司法書士という立場でAIを馬鹿にしているわけではなく、また、特定の業者を誹謗中傷するものでもありません。私自身、Googleの予測・推測の技術やYouTubeのおすすめ動画は便利だと思っていますが、AI技術で士業が終わるという主張やAIで全てが便利になるという主張には疑問を持っております。

 

ところで、私が司法書士になるために覚えた不動産登記の書式例は100種類ほどあると思いますが、これらの申請書はひとつひとつ記載の方法が決まっています。100人司法書士が居て、同じ事例で申請書を書く場合、恐らく全て同じ申請書だと思います。これは、厳格なルールが存在することにほかなりません。

例えば、登記申請書の最初に記載する登記の目的については「相続」を原因とする所有権移転登記をする場合、①「所有権移転」②「〇〇(亡くなった人の名前)持分全部移転」③「所有権移転及び〇〇(亡くなった人の名前)持分全部移転」くらいしか種類がありません。これを判断するのにAIという技術が必要なんでしょうか? 書類作成にあたって、質問に答えるというステップがあれば、簡単なアルゴリズムのことをAIと呼んでいるのではないか?と思っています。

私が調べたところ、あくまでAI等が申請書を作成と言うのは、商業登記に限って門戸が開放されており、不動産登記で行っている業者は発見できませんでしたが、相続登記が義務化されることになれば、手を出そうとする業者がでてくる可能性は否定できません。

もっとも、読み取った書類から、必要なデータを抽出することができるAIが出てくれば、本当に便利な世の中になると思います。独特な字体で読みにくく、時々役所がミスをしている古い戸籍などを自動で読み取ってもらえるなら、法務省が頑張っている長期相続等未了土地問題の解決に役立つでしょう。ところで、AIの類似のものから予測するという特性上、古い戸籍謄本のデータが必要になるのではないかと思いますが、プライバシーが多く含まれる情報を、AIに読み取らせて大丈夫なんですかね? あんまり詳しくないので分かりませんけど

実際、AIを利用した不動産登記手続きの門戸開放を行う場合、他所で作成された書類を使用しなければならないという点が、大きな問題になると思います。すなわち、商業登記手続きでは、自分で作成した議事録等を添付すれば足りますが、不動産登記における相続手続きを行う場合、役所で発行された戸籍をAIが読み取ることが出来なければならないため、完全な自動化は難しいのではないかと思います。また、相続によっては、全ての戸籍を取得できない場合もあり、全てシステマティックに手続きができるとは言えないのが現状です。

色々書きましたが、結論として、「今の制度上、不動産登記手続きでAIがすべてを行うのは難しいのではないか」というのが個人的な感想です。

まぁ、法務省が否定しないのであれば、AIが参入してもいいんじゃないですかね。ただ、商業登記と異なり、登記手続きには物権変動という重要な要素も絡んできます。仮に、AIが登記手続きを行って、AIの不具合により登記手続きが失敗した場合、誰がその責を負うのか、その点はよく考える必要があると思います。

またAIなどの新しい技術については気が向いたときに投稿しようと思います。

それではまた